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RUSH~プライドと友情

なんでいまさら~なんて言う方もいらっしゃるかもしれませんが、いや~FANとしては正直嬉しい話というか、2~3歳差で1976F-1グランプリ・イン・ジャパンを見逃した私にとっては、当時を追体験できるとてもありがたい映画ってトコロでしょうか。

どういうことかと言うと、当時小学5年生で親も車には興味のない家庭で、富士スピードウェイまでF-1を見に行くなんて有り得ない話。数年経って、中学2年生の頃は、一人で富士スピードウェイまでレース見に行ってましたから、2~3年早く生まれていたら、この世紀の一瞬を生で見ていたかもしれません。

そんな思いがあるからかどうか分かりませんが、予告編見ただけで泣けてきてしまいました。

まあ~脚色なんでしょうけど、ジェームス・ハントがニキ・ラウダに「事故ったのは俺のせいだ」といったのに対して「そうかもな、でもここへ戻ってきたのも君のせいだ」のセリフには痺れましたねぇ~。こういう展開に弱い。

脚色は良しとして、ニキ・ラウダの俳優さんは声もしゃべり方もホントにそっくりだったんですが、「ここへ戻ってきたのも君のせいだ」とはニキは(心で思っていても)言わなかったんじゃないかなぁ。

F-1ドライバーってものすごく孤独なんですよ。マシンを作る人が居て、レース場で車を調整するメカニックもいる、ケータリング、運搬トラックの運転手とか、マネジメントスタッフなど今では数百人の人が関わっていますが、F-1ドライバーってのは運転している時は一人で全てを行うしかないわけで、そういう技術を持っているのは世界に自分一人しか居ないと信じきっている人なんです。そういう技術には事故らないってのが入ります。その割には、事故多いじゃんと思う方多いと思いますが、F-1ドライバーの皆さんは絶対に事故らない自信が有り得ないくらい過剰にあります。そうでないと、あのスピードであの車を運転は怖くて出来ません。死んでも怖くない度胸があるわけではなく、死なない自信過剰が常人を超越しているわけです。でも、ミスは皆無ではありません。ミスを誘発する原因がなんであったか分析できれば、その分自信過剰がより過剰になるだけです。

ニキ・ラウダはコンピュータとの異名を取るくらい正確無比で、その知識と頭脳に裏打ちされた自信過剰の塊であったわけですが、それでも事故ってしまいます。ハントは、その時、世界で最も危険だと言われたサーキットで雨のレースを止めようというラウダの主張に対して強行しようと主張したと映画ではなっています。ハントは強行したが為にラウダは事故ったと考えて冒頭の発言になるのですが、ラウダは事故ったのは自己責任だと、そもそも自信がなかったら走らなかったと言うわけです。(その発想の現れがF-1GPinJAPANなわけです。・2周でレース放棄)

そもそもそのラウダの発想はごく当たり前の事で、よりF-1ドライバーらしい考えと言えます。ハントはそれに対して普通の人の発想です。1976年のチャンピオンシップで圧倒的リードを持っていたラウダですが、事故以降復帰しないと残りの試合回数からしてもチャンピオンは取れない可能性は多分にあったわけで、ハントが勝利を重ねてポイントを積み上げたこと自体は復帰の理由と言うより、復帰の時期をちょっと早めたくらいの要因じゃないかと思います。

ハントが冒頭の発言をしたとしてもラウダは「そんな事でセンチになっているようじゃぁまだまだだぞ」くらい思ったんじゃないかと想像します。

他人のせいで事故ることはない。例えば、急に何かが飛び出てきたりして避けようのない場面でも、冷静に対処して、車を当たらない方向へ導く。車が壊れる前に車の異常を察知して止める。それが出来ないと死ぬかもしれない。(つまり、コクピットに座れば全てを自分のコントロール下に置いて他人に自分の生死を左右されることはない)

絶体絶命のピンチでも一人で全て解決しなければならない、それも瞬時に。孤独ですよ。

そんな気持ちがあのセリフでガーンと伝わってキュンときちゃったんですかネ。

右がニキ・ラウダで、左がジェームス・ハント。当時のマシンが走っているシーンだけで感動モンです。

さすが、ロン・ハワード監督です。

実際のお二人。

F-1inJAPANは見逃しましたが、彼らが現役時代にF-1ファンになったこと、コレ以上の幸せはありませんな。

更新日時 : 2014年03月08日 | この記事へのリンク : 

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