早や10月も最終週ですが、温かくて過しやすいと言うよりは、暑い日があったりして寒暖の差によって体調管理が難しいかと思います。そんな秋の今日此の頃に合う音楽かどうか、甚だ疑問だったりしますが、今回の”探し歩記”はかのバグルズの2nd「モダンレコーディングの冒険」(まんま邦題)です。
「ラジオスターの悲劇」って曲で一世風靡したのは皆様よくご存知のことかと思いますが、彼らの2ndアルバムって知ってましたか?。
当時、セカンドの存在も知っていましたが、音を実際に聞いたのは発売から5~6年経ってから中古LPを買ってでした。今回話題にしたのは、この前のブログでYESを取り上げた際にYESの新作「FlyFromHere」をちょっと紹介しましたが、その曲のバグルズのヴァージョンがこのCDボーナストラックで収録されていて、こちらの方が”良い”という意見を目にしたもので、CDを購入したからです。
あらためて聞いてみて、良いアルバムだなぁ~と。
ジェフリー・ダウンズがかのASIAに参加した為、トレヴァーホーンのソロ・プロジェクト化したバグルズですが、ジェフリーも4曲で参加しています。その後のトレヴァーのプロデュースの活躍からサウンドテクノロジーの面が強調される事が多いのですが、ジェフリーの参加曲を中心としてメロディの良い曲が多く、今回のテーマはその点に集約されます。
一般的にテクノと言うとデジタル楽器中心に作られた音楽と定義されてピコピコ無機質な印象が強いかと思います。まあ~事実その通りの曲も多いのですが。バグルズははたしてテクノかどうかと言う議論は置いとくとして、トレヴァーは80年代サウンドテクノロジーの先駆者的に祭り上げられている事なので特にそのソロ作に近い今作はそうゆうことにしときましょう。
無機質って理由は、機械による演奏であると言う機械の印象とリズムがジャストでまったく”ゆれ”がない点かと思います。ディスコで踊れる音楽で考えるとジャストで”揺れない”リズムでも十分・・・というのは踊り手がジャストのリズムに乗って”揺れる”からです。
人はそれぞれ固有のタイム感があって、個別に違うので、自分にフィットするテンポや”揺れ”方があるはずなんです。それで、ドラマーによってもグルーヴ感が違うし、聞き手も好きなタイプのドラマーに違いが出てくると思います。また、グルーヴ感ってのは、ジャストからちょっと前後にずれたり(それが”揺れ”)するから出てくるものなので、ジャストなリズムにはフィットしないわグルーヴしないわでハッキリ言って”ツマラナイ”。だから無機質な無味乾燥な印象かと思います。
で、リズムがツマライ音楽を”聴かせる”にはどうするかという点で、一つは音が新しく面白い。で、一つはメロディだと思います。
「ラジオスターの悲劇」もかなり良いメロディでしたが、詩の内容もメディアの変遷(ラジオ→TV)に対するアンチテーゼでとてもメッセージ性が高い。極論するとボブ・ディランや吉田拓郎顔負けなわけです。つまりはテクノはサウンド面だけが取り沙汰されることが多いですが、”心あるテクノ”はメロもメッセージもしっかりとしたモノがあると言う事です。
では、ここからが裏本題ですが、人力サウンドなのにツマラナイって音楽もあります。16ビート系の音を詰め込み過ぎたフュージョンとかです。例えばカシオペアとか・・・強力な反論ウエルカムで言いますが”カシオペア”とか。あの~別にカシオペア嫌いじゃないんですが、”心あるテクノ”よりは遥かにツマラナイ。何故かというと速いテンポで16ビートの音が密集していると”揺れ”様がない。(”揺れ”てても普通の耳にはわからない。)つまり機械と同じ感じなんですね。
先日、ある方が、カシオペア絶賛で、神保さんみたいに叩く人じゃないと合わせたくないんでライブではドラムは機械に演奏させています、絶対にリズム楽器は機械ってのが”譲れない”持論です、とおっしゃってました。この方、ベースをバンドでは演奏されるそうです。で、フュージョンをやるのではなく、ポップスだったりします。この方、最近YouTubeで森川美穂の存在を知って激賞しておりましたが、おかげでなんだか森川美穂まで”ツマラナク”思えてきた今日この頃です。